glu・Domoを相互活用し、あらゆる面で高速化を実現
アタラの評価ポイント
・自社システム基盤の一部としてのgluとDomoの活用を支援・広告運用からシステムまで、あらゆる面での高速化を実現・Domoを使って変化への柔軟な対応が可能に
※この記事は、2020年1月に公開されました。
Supershipホールディングス株式会社経営戦略本部 経営企画室 室長 本郷隆三様(Ryuzo Hongo)
Supership株式会社
アドテクノロジーセンター マーケテックチーム 岸洋佑様(Yosuke Kishi)
アドテクノロジーセンター 安藤寛様(Hiroshi Ando)
プラットフォーム事業部 大隅加奈子様(Kanako Osumi)
Supershipホールディングス株式会社コーポレートサイト
https://supership-hd.jp/
Supership株式会社コーポレートサイト
https://supership.jp/
glu・Domoをお使いいただいている、Supershipホールディングス株式会社の本郷様と、Supership株式会社の岸様、安藤様、大隅様に、導入経緯からどのようにご活用いただいているのかまでを、弊社CEOの杉原が伺いました。
ハイブリッドスタートアップとして成長してきたがゆえの課題
-まずは、御社の事業概要と自己紹介をお願いします。
本郷:経営戦略本部 経営企画室室長の本郷です。弊社はKDDI株式会社のオープン領域を推進する企業としてSupershipホールディングス株式会社が立ち上がり、その子会社として、Supership株式会社を含む5社がグループ企業となっています。さらにSupership株式会社自体もスタートアップ5社を統合しており、いわばスタートアップ企業の集合体のような形で事業拡大してきた背景があるため、事業数やプロジェクト数が非常に多いという点があります。
KDDIを親会社に持つという資金力と、スタートアップのスピード感をうまく活用しながら成長を目指しているという点では、日本では珍しい企業構造ではないかと思います。
そうした状況で、主にマーケティングに携わる部分、運用型広告やデジタル広告の運用、DSPやSSPのソリューション展開が弊社の事業の柱のひとつなのですが、我々のコアコンピタンスはあくまでも「データ」であり、目指しているのは「データテクノロジーカンパニー」です。
私が所属する経営企画室では管理会計や実績分析を担っています。弊グループの場合ホールディングス側にある経営企画室でKPI設計や進捗モニタリングを一手に引き受けています。
岸:アドテクノロジーセンター マーケテック部門の岸です。私と安藤が所属するアドテクノロジーセンターでは、エージェンシー部門とテクノロジー部門を繋ぐ役割を担っています。そのため、レポーティング周りやダッシュボード関連にも携わります。
安藤:同じくアドテクノロジーセンター所属の安藤です。データはよく資源としての石油に例えられますが、そのままでは使えないので、様々なところから集めてきたデータをクレンジングし、使えるようにすることがマーケテックチームのミッションです。
大隅:プラットフォーム事業部の大隅です。プラットフォーム事業部では、新規事業や新サービスが立ち上がった際のオペレーションフローの構築や、オペレーション業務の効率化を担当しています。
-ありがとうございます。御社では2017年1月よりglu、2018年9月よりDomoをご導入いただいていますが、導入に至る背景として、どのようなきっかけがあったのでしょうか。
本郷:これまで、我々にはいくつかの課題がありました。弊社はM&Aで統合を繰り返してきた集合体なので、プロダクトが多岐にわたることに加え、管理手法がそれぞれに異なるという現状がありました。そのため経営企画室では、経営層への報告の際に一つ一つ時間をかけてシステムを遷移する必要があり、回答までに時間を要することが課題でした。
また、データテクノロジーカンパニーである以上、感覚値ではなくデータを駆使し、迅速に意思決定を行いたかったという理由もあります。売上や利益の数字のみを追っていると、事業としては伸びていても成功・失敗要因が不明で今後の方針を立てづらいからです。
さらに、弊社では事業やプロダクトによってデータが点在していることで、これまでは整形されていないデータを管理部門などが一生懸命きれいにするという作業工数が発生していました。そのリソース負担を軽減し、きれいなマスターとDomoをETLで繋げてきちんとビジュアライズしたかったという理由もあります。
岸:クライアントニーズとしても、データを整形した状態でクライアントの持つダッシュボードに反映させてほしいという要望が増えてきています。
-これまで、データ分析やレポート作成はどのように行われていたのでしょうか。
大隅:主にExcelで実施していました。工数削減のための工夫は行っていたものの、データ量の大きいものでは丸一日かかることもあり、やはり人の手では限界を感じていました。
本郷:これらいくつもの理由があったため、何かしらのビジュアライゼーションツールの導入は急務でした。経営企画室がリードしてプロジェクトを立ち上げ、いくつかのツールを比較検討しましたが、プログラミングの知識がなくてもある程度触れるツールであるという点、また構造がとてもシンプルである点に惹かれ、Domo導入を決めました。また、拡張性を考慮すると、コネクタ数の多さも非常に魅力的でした。
統合DBにおいて、gluとDomoを相互補完的に活用
-実際にDomoを導入されて、どのような使い方をされているのでしょうか。
本郷:導入当初想定していた経営層に向けた報告にも活用していますが、弊社の統合DBの一部として、高機能・高速なデータのプリパレーションツールや、ビジュアライザーとしての役割をDomoが担っているというのは、弊社ならではのユニークな使い方ではないかと思います。
岸:マーケテックチームの業務の一部として、統合DBを作り、現システムの統廃合を実施することでメンテナンスの保守にかかる工数を軽減するというプロジェクトが今年から始まりました。システムは、データ取得レイヤー、データストアレイヤー、データ整形・集計・結合レイヤー、そして最後にビジュアライゼーション・レポーティングレイヤーの4つに分かれます。
このシステムにおいて、データ整形・集計・結合レイヤーとビジュアライゼーションレイヤでDomoを活用しています。またgluは各種媒体データと繋がっているため、データ収集レイヤーにおいて収集エンジンとして活用しているほか、媒体レポートをDomoで受け取り、Google Driveで書き出してgluに入れ、Excelレポートとして出力するという使い方もしています。
要は、gluにはデータ取得エンジンと、Excel生成系ソフトとしての役割があり、その間を繋ぐツールとしてもDomoを使っているという、相互補完的な位置づけで両者を活用しています。
-gluで集めてDomoで整形やビジュアライズをするという使い方もあれば、Domoで媒体データを受けてビジュアライズはgluに任せるという使い方もされているということですね。
岸:そうですね。Excelで出せるものに関しては、gluの得意分野だと思います。また、glu非対応の媒体データに関しても、自社開発で媒体APIからGoogleスプレッドシートにデータを書き出し、Domoでプリパレーション、gluを経由してExcelレポート化するといったことも行っています。そのため、他社では出せないレポートにも対応可能です。
Domoを使って変化への柔軟な対応と高速化を実現
-すごいですね。日本屈指の開発力がある御社だからこそできる使い方かもしれませんね。
岸:マーケテックチームでは、「LowCode開発/NoCode開発」を目標に掲げています。その理由として、ひとつはウェブ広告のグローバルプラットフォームの変化速度の速さがあります。3ヶ月に一度はAPIのバージョンアップがあり、指標も高頻度かつ複雑に変化します。さらに、エージェンシー部門においては、広告主に求められるKPIや指標がキャンペーン実施中に高頻度で変化します。そのスピードと変化量にどうついていくかがシステム側の課題であり、ウォーターフォール型の開発ではもう間に合わないと感じています。高速かつ柔軟にシステムを実装し、現場に確認するサイクルが求められる中で、glu・Domoがかなり活躍しています。
-具体的にはどういった機能を駆使して高速化を実現されているのでしょうか。
安藤:弊社では、媒体管理画面にはない弊社のマスター系データと媒体データを統合してクライアントにお渡しする場合があります。マスター系データは弊社のGoogleスプレッドシートで管理しているのですが、文字列の中にカンマが入っている部分などをDomoでデコードして除外するといったチェック機能としても活用しています。Domoを介在させることで、データのおかしい部分に対してアラートを出してくれるので、とても助かっています。
岸:また、大容量かつ高速なデータストアが標準利用できデータ容量を気にする必要がないのは、システム側からすると非常に助かっています。
大隅:プログラミング言語の知識がまったくない私でも、高いハードルを感じずに操作できたという、操作性の高さにも驚かされました。知識がなくても、欲しいデータを必要な量だけ簡単に抽出できるのは非常に便利です。
-Domoがシステム基盤の一部を担っているという印象を持ちました。工数削減という意味では、導入による変化はありましたか?
岸: かなり減っていると思います。1ヶ月程度の短いキャンペーンのために、これまではデータクレンジングのためのプログラミングに2~3日かけていたところを、Domoで設定してしまえば2~3時間で簡単に作れてしまいます。いらなくなったら削除すればよいという気軽さもあります。
本郷:ビジネスサイドでは、工数削減もさることながら、これまで出せなかったものが出せるようになった点で非常に助かっています。例えば、SSPの主要媒体や、接続先のデマンドサイドの状況、売れ行きを経営陣に報告した際に、準備していたものとは別角度で質問されると、これまでは一旦持ち帰って出直す必要がありました。Domoを使えば迅速かつ多軸に見せることができます。それにより、見えてくるインサイトが変わったという実感も持てています。
-そこまで可視化できているのですね。
本郷:メディアごとの収益性も当然見ていますが単なる売り上げの数字としてだけではなく、各メディアによる収益インパクトの推移を追うこともできます。突然数字に大きな変化が起こった際も、これまで感覚や経験則で判断していたところを、しっかりとデータで判断できるようになりました。これまでにもデータがなかったわけではありませんが、ビジュアライズされていなかったのです。数字の羅列ではどこにポイントを絞ればよいのかが分かりづらいので、視覚的に理解しやすいというのは非常に大きいと思います。
-もともと社内にデータはあったものの、それを各々が必要なデータとして見られるようになったということでしょうか。
本郷:そうですね。弊社の持つDSPとSSPは日本でもトップクラスのトランザクションなのでインプレッション数も相当あるのですが、サービスの性質上管理画面が統合されているわけではないので、両方のシステムにログインして見なければいけない。それが、Domoにログインすれば両方を一気に見られる。そういった統合プラットフォームとして使える部分でも助かっています。
すべてのデータをDomoで一元管理・可視化し、ポータル的存在を目指す
-素晴らしいですね。かなり細かく流動的に見ていらっしゃるのがわかりました。今後はどのように使われる予定でしょうか。
本郷:現在、事業ごと、ツールごとにデータが分散されている状況なので、それら全てをDomo上で見られるようにしたいと考えています。例えば、在籍データと売上系データをETLでつなぎ合わせることで、一人あたりの売上や生産性も見られるようにしたいです。
理想的には、毎朝出勤したら皆がアクセスするような、ポータル的な存在になればいいなと思っています。
-gluにおいても、Domoにおいても、アタラに対して今後期待されることはありますか?
本郷:御社は、glu、Domoともに豊富な導入経験をお持ちだと思いますので、他社事例や業界全体の傾向や潮流について、引き続きご共有いただけると嬉しいですね。
岸:御社は、独立系の特殊なポジションにおられると認識しています。だからこそ、多様な事例を共有していただき、業界全体の向上を共に目指していけたらと思っています。
-御社ならではの開発力をもとに、glu・Domoともに最大限活用していただいているということが、よく理解できました。本日は、貴重なお話をありがとうございました。
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